世間には晴れ女とか雨女という呼び名があるのをご存じだろう。
さて、あなたはどちらであるか。
雨の匂いは好きであろうか。
晴れた日の風を心地良いと感じるであろうか。
雨には雨の良さがある。大地を潤す役割と共に熱を下げてくれる。
晴れたら晴れたで暑くてたまらない夏は太陽がうらめしく感じるだろう。
確かに、外出時の雨はうっとうしいかもしれない。
それは何故か考えたことはあるだろうか。
傘が荷物になる。足元が濡れて気持ち悪い。
暗くて気分が落ち込む。
いくつも当てはまるかもしれない。理由は他にあるかもしれない。
私は子供の時から雨女だったが、有る時から晴れ女に変わった。
家族も友人も知人も、そのことを知っていて、
いまじゃ、『晴れ魔女』の名がついているほどだ。
たまに、雨を止ませてくれというお願いが来るが、天気を変えるほどの
器量はもちあわせていない。
とにかく、そんな感じで、出かける時は完璧100%傘がいらない。
どんなに天気予報が悪天候を知らせてくれても、一歩出れば雨は止むのである。
さて、何があったのかというと。
あの日は、曹洞宗大本山・永平寺へ旅した時。天気はもちろん雨。
傘が必要だった。その時持っていた傘は渋谷109で何年か前に買ったお気に入りの傘だった。
傘の手は金色、絵柄は派手な青と赤の花模様。今じゃ絶対買わない高価な傘。
それを、何故か宿へ忘れて置いて来てしまった。
気付いた時は、すでに車で帰り道。
私は、いったんは後悔した。もう同じものは買えない!本当にお気に入りの傘だったのだ。
宿に連絡することもできただろう。しかし、それをしなかった。
よし。もう傘は買わない。持たない。
その決心が、雨女から晴れ魔女になったきっかけだった。
続く
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