べつにクリスマスに出産した人ではない
世間一般的に、クリスマスというのは聖母マリアが救い主イエスキリストを産んだ日であるとされている…が、実際は別にそういう日じゃないというのはこのマガジンを読みに来られている皆様ならよくご存じであると思われるので割愛しておきます。
ただこの聖母マリアという人、というかこの人に関わる信仰については非常に面白いところがあります。クリスマスもそうですが、彼女に関わる信仰については多分にキリスト教以前に存在した多神教からの影響が見て取れるのです。
考えることはどこの人間も変わらない
多神教と聖母マリア信仰について、たびたび話題に上がるのが「黒いマリア像」です。
ただ単に表面が黒ずんでいるだけのものもありますが、中にはキリスト教の布教の過程で聖母マリアをそれぞれの土地で祀られていた地母神(イシス、デメテル、フレイヤ等)と同一視していたひとつの証拠として挙げられるものもあります。日本で言うところの本地垂迹説や神仏習合みたいな話です。
また、よく絵画のモチーフとなっている聖母子像(母マリアと幼いキリスト)については、古代エジプトでさかんに作られていた「母イシスと幼いホルス神」の石像・レリーフ類との類似性が指摘されており、キリスト教が広まるかなり早い段階で取り入れられていたと考えられています。
流行語大賞とするにはあまりにもアレな
今年は一部のネットユーザーの間で「バブみ」なる言葉(注1)が生まれ、夏ごろにちょっと話題になったのも記憶に新しいところです。人はいつの時代も母性を求める存在なのだろうなあ、とクリスマスに思いを馳せるのもいいかもしれません。
(注1)解説はこちらが簡潔かつ分かりやすい→http://www49.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/31100.html
この「バブみ」という言葉については女性ユーザーが男性キャラクターを表す言葉として使うケースも非常に多い、つまり「男性キャラクターに『父性』ではなく『母性』を見出し、それを求める」文脈で使われているのが興味深いところである。
参考URL
「黒い聖母 - アンティーク アナスタシア」
http://antiquesanastasia.com/religion/references/virgin_mary/black_madonnas/general_info.html
「フランス中世史と黒い聖母 ―黒くぬられたマリア像の秘密」http://55096962.at.webry.info/201104/article_13.html
「世界各国の聖母出現伝説、まさかの日本も…?」
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