「Samhain(ソーウィン)」

10月31日 ハロウィンの日。魔女の一年の終わりと始まりです。
語源もゲール語の「夏の終わり」からだとか。この日、あの世と現生の境の扉が開き、死者がよみがえると信じられ、故人を偲びます。日本でいう「お彼岸」です。

ヨーロッパでは、この日に高い丘でかがり火を焚くというお祭りを、あちこちで見かけます。魔女の最後の収穫祭にもあたり、この日以降は果物をとってはいけないといういい伝えもあります。

ケルトでは、この日、黒い神「サマイン」が、活動を始めます。彼は、屠殺者で、太陽の鹿を狩り、その妻である植物の女神を冥界に引きずり込むと伝えられています。「サマイン」は、 「sammeln 集める」という言葉にも通じます。ヨモギが焚かれ、お守りとして、にんにく・ヒヨス・アンゼリカの根が吊るされ、りんごとナッツが祭壇に捧げられます。この時期を表す植物は、毒草であるベラドンナ。樹木もやはり毒のある イチイです。また、魔女はこの日大釜を水で満たし、そこに映るイメージで占います。

 

春に、イタリアとドイツを旅してきました。中世そのままの建物での伝統行事に参加させていただき、??と思ったのが10月31日もしくはすべての聖人の日である11月1日に食べる「聖者の骨」ossa dei mortiとよばれているお菓子です。

作り方もとっても簡単で、名産のアーモンドパウダーと同量の砂糖、卵白に庭にあるレモンの皮のすりおろしに、レモンリキュールで薫りつけた骨のかたちのクッキーでした。スペインでも食べられるそうで、そちらはなんと、和菓子のような巻菓子です。Hueso de santo やはり「聖人の骨」とよばれ、こちらは、アーモンドパウダーと砂糖と水でマジパンを作り、6センチ×5センチくらいの板状にしたマジパンで 骨髄にみたてたクリームを巻き、骨の線をつけたというものです。キリスト教の伝統だそうですが、死者をしのぶ心は世界共通ですね

日本の秋分・ソーウィンは、お墓参りや祖先を供養するお彼岸とかぶっています。
お彼岸という言葉は仏教用語からできた言葉ですが、もとは秋分の頃に豊作を祝う自然信仰からきています。
日本には四季というものがありますが、目に見えて色づく木々や花、そして豊かな作物。
この国に住む魔女達は自然神を優しく、そしてより近くに感じることが出来る時期なのではないでしょうか。

古き神々を崇拝し、自然とともに生きる。まさに魔女の姿であるとも言えます。
また、お彼岸の食べ物といえばおはぎ。小豆の赤い色は昔から、邪気を祓う・災難を除けると言われています。
自分はもちろんのこと、大切な人のために儀式に捧げるのもアリ?!

また、夏土用の丑の日はウナギで有名ですが、実は春秋冬にも土用の日があるのをご存じですか?
ちょうどソーウィンの日も秋土用の時期にかぶります。
この特別な日に向けて、「う」のつく食べ物を探してみるのもいいかもしれませんね。

魔女にとっては年末年始でもあるソーウィン。

あなたなら今年はどんな1日を過ごしますか?

(文:hiroe、キノ イラスト:キノ)

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